
となりのSANBAさん
親子と地域をつなぐみんなの居場所
なぜ、「となりのSANBAさん」なのか。
「助産師さんなのに、書道教室もあるんですね。」
「畑で野菜も育てているんですか?」
「味噌づくりや甘酒づくりまで?」
そんなふうに驚かれることがあります。
そのたびに、私は少し笑いながら答えます。
「そうなんです。今日は産婆じゃなくて、農婆かもしれません。」
もちろん、「農婆」なんて職業はありません。
でも、私にとっては、どちらも大切な役割です。
昔の産婆さんは、赤ちゃんを取り上げる人というだけではありませんでした。
妊娠中から家族に寄り添い、出産を支え、産後のお母さんを気にかけ、子どもの成長を見守る。
困ったときには相談に乗り、ときには一緒に笑い、地域の人と人をつないでいました。
そこには、医療だけではない「暮らしへの寄り添い」がありました。
私は、その姿に今も憧れています。
だから、「となりのSANBAさん」が届けたいのは、産後ケアだけではありません。
土に触れ、野菜を育てること。
収穫の喜びを分かち合うこと。
味噌や甘酒を囲んで季節を感じること。
書道で心を落ち着けること。
そんな何気ない時間の中で、人と人が出会い、「また会えたね」と笑い合える関係を育てていくこと。
それも、親子の安心につながる大切なケアだと信じています。
私自身も、四人の子どもを育ててきました。
障害のある子どもの子育てや、不登校など、思い描いたとおりにはいかない毎日も経験してきました。
子どものことを最優先にしたくても、仕事との両立に悩むこともありました。
だからこそ私は、「困ったときだけではなく、何もない日にも安心して立ち寄れる場所」が地域にあったらいいのに、と何度も思ってきました。
子育てには、それぞれの家庭に、それぞれの物語があります。
初めての育児に戸惑うご家庭。
障害のあるお子さんを育てているご家庭。
学校へ行きづらさを抱えながら毎日を過ごしているご家庭。
経済的な事情から、「やってみたい」をあきらめてきたご家庭。
一見すると違って見えても、誰もが「安心できる場所がほしい」という気持ちは同じではないでしょうか。
だから私たちは、誰かだけのための場所ではなく、誰もが自然に集まれる場所を目指しています。
困ったときだけ来る場所ではなく、何もない日にもふらっと立ち寄れる場所。
赤ちゃんがいてもいい。
小学生でも、中学生でもいい。
子育て中じゃなくてもいい。
地域の人が自然につながり、「こんにちは」と声を掛け合える場所。
昔、「となり」には、そんな温かさがありました。
誰かが困っていれば声を掛け、畑で採れた野菜を分け合い、子どもの成長を地域のみんなで喜んでいました。
私たちがつくりたいのは、そんな昔の「となり」です。
今日は助産師。
明日は、畑で土に触れる農婆。
書道教室では、子どもたちと文字を書きながら心を育てる先生。
肩書きは変わっても、想いは変わりません。
一人ひとりの毎日に寄り添うこと。
人と人をつなぐこと。
そして、「ここに来れば、誰かがいる」「ここに来れば、自分らしくいられる」と思える地域を育てること。
私も、たくさんの人に支えられながら、ここまで子育てを続けてくることができました。
だから今度は、私が誰かの「となり」にいたい。
あなたは、ひとりじゃない。
困ったときも、うれしいときも、何気ない毎日も。
誰かとつながり、支え合い、安心して過ごせる場所がここにある。
その願いを、この名前に込めました。
「となりのSANBAさん」
あなたのとなりで寄り添う人でありたい。
それが、私の目指す姿です。